力学的な原因による腰痛

脊椎画像腰部の
5つの腰椎
その間の椎間板という軟骨組織
それらを支える周辺の靭帯や筋肉 に以下の要因が及ぶことで腰痛が起こる。

異常腰部への通常ストレス
 腰部の組織に損傷や変形、 損傷した後に傷痕ができたりすると、正常な組織では痛みが生じることのない、 日常生活での動作によりかかる通常のストレスでも痛みが生じる。

準備不十分の正常腰部に対する通常のストレス
 物を持ち上げる動作は、その大きさや重さに応じて持ち上げるのに適した姿勢や 必要な力・動作の速さ などを脳で認識した上で行われる。このとき物の大きさや重さを正しく 認識できなければ、それに適した姿勢をとることができず、正しい筋肉の活動も行われぬために、 不適切な 筋緊張や組織の損傷を引き起こし、痛みが生ずる。

正常腰部への異常ストレス
  手の指を、もう一方の手で手の甲の方へ向けて強く押して曲げると痛みが生じ、手を離すと 曲げられた指は元に戻り、痛みもなくなる。この場合のように病理的な原因は全くなくとも、 曲げられた指に強いストレスがかかり痛みが生じる。このように物理的なストレスから 生じた痛みは、 薬を用いた化学的療法では軽減しえないと、ニュージーランドの 理学療法士であるロビン=マッケンジー氏は著書の中で述べている。 そして座る姿勢で 腰椎の前弯がなくなることにより、椎間板や靭帯にかかる圧力や緊張、また 日常生活で前かがみの悪い姿勢をとるための緊張によるストレスが、腰痛を引き起こす主な 要因であると述べている。

 背骨は椎間板が 背骨にかかる重みを受け止め、後部にある関節が、運動機能を果たしている。 悪い姿勢を続けたり、労働や運動による多大な負担がかかる と、椎間板がうまく重みを吸収することができず、本来は運動機能を果たすべき関節に過度の圧力 がかかるようになる。この正常腰部に異常ストレスがかかる状態が 長期間に及ぶと関節や骨の変形を引き起こし、通常ストレスにも痛みを生じるようになる。

関節の動きが悪くなることによる腰痛

表紙・目次  腰痛の原因と種類  成人の急性腰痛治療ガイドライン  腰痛の予防について

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