力学的な原因による腰痛
◆
準備不十分の正常腰部に対する通常のストレス
物を持ち上げる動作は、その大きさや重さに応じて持ち上げるのに適した姿勢や
必要な力・動作の速さ
などを脳で認識した上で行われる。このとき物の大きさや重さを正しく
認識できなければ、それに適した姿勢をとることができず、正しい筋肉の活動も行われぬために、
不適切な
筋緊張や組織の損傷を引き起こし、痛みが生ずる。
◆ 正常腰部への異常ストレス
手の指を、もう一方の手で手の甲の方へ向けて強く押して曲げると痛みが生じ、手を離すと
曲げられた指は元に戻り、痛みもなくなる。この場合のように病理的な原因は全くなくとも、
曲げられた指に強いストレスがかかり痛みが生じる。このように物理的なストレスから
生じた痛みは、
薬を用いた化学的療法では軽減しえないと、ニュージーランドの
理学療法士であるロビン=マッケンジー氏は著書の中で述べている。
そして座る姿勢で
腰椎の前弯がなくなることにより、椎間板や靭帯にかかる圧力や緊張、また
日常生活で前かがみの悪い姿勢をとるための緊張によるストレスが、腰痛を引き起こす主な
要因であると述べている。
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